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2026.10.29

おはようございます!
広報担当の安保敬司です。

10月もいよいよ終わりですね。朝の名古屋駅前は、上着を着て歩く人がぐっと増えてきました。

ドイツのテュービンゲン大学で、30年以上「ダイオウグソクムシ」として保管されてきた標本が、じつは新種だったと分かりました。体長は32.2cm。研究成果は2026年10月8日付の科学誌『Scientific Reports』に掲載されたと、大学が発表しています。

ずっと別の名前で呼ばれていたんです

このニュース、見出しを見たときに思わず二度読みしました。

標本は1980年代に、同大学の古生物学者ザイラッハー教授がプエルトリコの研究施設で手に入れたものだそうです。教育用にドイツへ持ち帰られ、ダイオウグソクムシ(学名 Bathynomus giganteus)の名前で保管されてきました。

報道によると、水深およそ500mに仕掛けた罠で採集されたもので、とれた場所がダイオウグソクムシのすみかと重なっていたことから、同じ種だと考えられていたそうです。博物館の特別展で展示されたこともあったと紹介されていました。

何十年も、みんなが違う名前で呼んでいた。なんだか少し切ない気もします。

どうやって新種だと分かったんですか

決め手になったのは、マイクロCTという装置で体の中まで細かく調べたことだそうです。とくに口のまわりのつくりを丁寧に観察したところ、近い仲間との違いが見えてきたとのこと。

7番目の脚には、くしのような形をした太い毛が15本並んでいるそうで、これも見分けるポイントのひとつとして挙げられていました。15本、数えた人がいるわけですよね。地道な作業だなあと思います。

正直、ダイオウグソクムシは一種類だけだと思っていました。「グソクムシ」の仲間にはたくさんの種類がいて、研究者の方々が少しずつ見分けてきた歴史があるそうです。

名前は町と島から

新しい学名は「Bathynomus tuebingoborikensis」。大学のある町テュービンゲンと、プエルトリコの先住民タイノの人たちが島を呼んだ名前「ボリケン」を組み合わせたものだそうです。

舌をかみそうな名前ですが、由来を知ると覚えたくなります。標本を持ち帰った先生は2014年に亡くなっているそうで、その標本が研究者の手で改めて光を当てられた、というところにもじんときました。

また、研究チームは体長25.5cm以上の大きなものを「コロッソジャイアント」と呼ぶ区分を新たに設けていて、今回の32.2cmの標本はそこに入るそうです。初めて聞いた言葉でした。

日本の水族館にも親せきがいました

今回の新種にいちばん近い仲間は、メキシコのユカタン半島沖で見つかった種だそうです。

そしてこの仲間、日本とも縁があります。神奈川県の新江ノ島水族館でダイオウグソクムシとして保管されていた個体が、2022年に新種と分かったことがあると報じられていました。地球の反対側の話かと思ったら、意外と身近なところにつながっていて驚きました。

なお、今回の発表は保管されていた1体の標本をもとにしたもので、DNAの分析は行われていない、と伝える報道もありました。これからの研究でまた新しいことが分かるのかもしれません。

見慣れたものにも、まだ知らないことがある

新しい発見というと、遠い深海へ探しに行くイメージがありました。でも今回は、大学の収蔵庫にずっとあった標本から見つかったんです。

当たり前だと思っていた名札を、もう一度確かめてみる。それだけで世界が少し広がることもあるんだなあと、勉強になりました。週末に水族館へ行く機会があったら、グソクムシの水槽の前で少し長めに足を止めてみようと思います。

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